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冬、ある土曜日の午後、久しぶりに国分アンビシャス広
場を訪ねてみた。子ども達の歓声が聞こえる。……かつて
「子どもは風の子」と言われたものだが、まさにそれを彷
彿とさせる光景であった。そこには、今ではほとんど見る
ことのできない生き生きとした子どもの社会があった。
地域の子ども社会のなかで繰り広げられる仲間との豊か
な遊び体験は、子どもの育ちに欠くことのできない大切な
「栄養素」である。しかし、そうした子ども社会は、この
40年くらいの間に見事に消えてしまった。
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本書は、その消えた子ども社会の再生を目指し、12年間
にわたって地域の「おっちやん」として子ども達と直接関
わり、取り組んできた藤田弘毅氏の実践と、そこから見え
てきた知見をまとめたものである。
遊びを通して子ども達が健やかに育つことを願い、現在
地域で取り組んでいる人々、またこれから取り組もうとし
ている人々にとって、子ども達とどう関わり、子ども社会
をどのようにして再生するのか、その具体的な方法を示し
てくれるまさに必読の書である。 (抜粋) |
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