政治倫理審査会審査結果(要旨)

当該事案の存否(当該審査請求の政治倫理基準における違反行為の存否)
   当該審査請求の対象となった橋本健議員の発言は、条例第3条第1項第1号に規定する「市民全体の代表者としてその品位と名誉を損なうような一切の行為」及び「その職務に関して不正の疑惑をもたれるおそれのある行為」には該当しない。よって、審査対象議員に政治倫理基準に違反する事実は存在しない。
 理由としては、二元代表制における議員と市長間の事象であり、政治家どうしのやり取りとしては許容の範囲内であること。また、これに類する事象を条例第3条第1項第1号における政治倫理基準違反とした場合、審査会が政争の具として利用され、公正な審査ができなくなるおそれがあるためである。
審査請求事項に関連する審査会の附帯意見
   本件は、上記のとおり条例第3条に規定する政治倫理基準には違反しておらず、したがって条例第7条による措置は必要ない。しかしながら、今回の橋本議員の発言は、前市長に対する不信任決議による議会解散から市議会議員選挙を経て、再度の不信任議決による前市長の失職、そして新市長誕生と一連の経緯の中において、議長の立場にあるものが「不信任」という言葉を使用したことは不適切と判断せざるをえないものであり、市民の怒りも十分に理解できるものである。特に橋本議員においては、議長として言葉の重さと影響力の大きさを考え、意思表示は慎重に行うべきであったと考える。
 よって、橋本議員にあっては、市民の不満に対して真摯に対応されるとともに、今後は発言の重さを十二分に認識され、不適切な言動は、厳に慎まれるよう付言するものである。