令和2年 第3回(9月)定例会 委員長報告
総務文教常任委員会 委員長 門田 直樹
各常任委員会に分割付託された議案第49号「令和2年度太宰府市一般会計補正予算(第6号)について」の当委員会所管分について、その審査内容と結果を報告いたします。 審査に当たりましては、歳出より審査を行い、歳出の中で関連する歳入等の項目については、併せて説明を受け審査を行いました。
歳出の主なものとして、今回の補正予算においては人件費に関連する補正項目が多く計上されており、その内容は本市でも任用を開始している会計年度任用職員のうち、過去の実務経験を有する者に対し前歴を換算した報酬、給料を上乗せするものであり、それらにかかる人件費及び関連する予算の補正を計上しているものとのことでした。
次に、2款1項7目:公共施設整備関係費1億5千万円の増額補正について。 これは、令和元年度決算において実質収支が5億7993万円となり、このうち1億5千万円を今後の公共施設の改修等に充てるため公共施設整備基金積立金として積み立てるものとのことでした。関連する歳入として、20款1項1目:前年度繰越金を3億7134万8千円増額補正し、5億7134万8千円とし、現時点における公共施設整備基金は予算ベースで10億964万2634円になるとのことでした。
次に、2款2項1目:総合企画推進費6千万円の増額補正については、歳入18款1項1目のふるさと太宰府応援寄附に計上している1億円の増額補正に対する経費であり、今回の補正予算に計上してある太宰府Beautiful Harmony 事業の財源となるものであるとの説明がありました。
次に、2款2項5目:地域づくり推進費1千500万円の増額補正について、このうち新型コロナウイルス感染症対策支援金1千万円は、行事の自粛や公民館の使用の制限、消毒液の設置などの感染対策に取り組む校区自治協議会及び区自治会を対象としたものであり、自治会活動の継続のための方策や環境づくりに取り組んでおられることから、その活動を促進していただくための支援であるとの説明がありました。
委員から校区自治協議会ごとに自治会数が違うが、金額の振り分けはどうなるのか。活動促進とのことだが、具体的な使途はどのようなものがあるか。などの質疑がなされ、 執行部より金額の振り分けは、基礎額を設け、各校区自治協議会の世帯数を基本として交付金額を算定する。交付金の使途は、消毒液や空気清浄機の購入等もあるが、例えば公民館での集会を避けるための映像機器の購入資金の一部に充てることなども考えられ、あまり制限は設けず、新型コロナウイルスの対策に使用していただく予定である。などの回答がありました。
次に、10款1項2目:学校教育運営費1億1177万9千円の増額補正について、このうち、電算委託料の25万3千円については、アプリケーションソフトのLINEを使用した自宅学習システムを試行的に導入するための経費であり、中学3年生を対象として約50%の申し込み率を見込んでいると説明がありました。
また、ネットワークシステム保守委託料4945万円については、全小・中学生に1人1台ずつ整備されるパソコンについて、臨時休校などで自宅学習の必要が生じた場合に、持ち帰ったパソコンが有害サイトなどにつながらないよう、閲覧制限を行うためのウェブフィルタリングサービスを導入するための経費、各科教材備品外の6746万8千円では、タブレットパソコン870台と、小・中学校に配置する大型提示装置約90台を購入する費用が含まれているとの説明を受けました。
なお、当初予算策定時には、学習用パソコンを賃貸料で配備する想定で予算計上されていましたが、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の対象事業となることから備品購入費に予算を組み替え、債務負担行為として計上していた小中学校学習用タブレットPC賃借料を廃止すると説明がありました。
委員からLINEを使用した自宅学習システムとはどのような内容か。生徒が利用するときに気をつけることなどを啓発されるのか。などの質疑がなされ、執行部より授業の動画や、4択問題を中心とした学習の資料提供といったことを想定している。有害サイトにつながることによる危険などについては、当然啓発していかなければならないことであり、教育委員会としても学校を通じて啓発を続けていきたいと考えている。との回答がありました。
次に、10款2項1目:小学校施設整備費2759万1千円の増額補正の主なものは令和3年度に太宰府南小学校がクラス増となり、2教室不足することが想定されていることから、それに対応するため、現在の校舎2階のランチルームとして使用している教室を再び教室に戻すための工事や、また水城小学校エレベーター設置に向けた実施設計、管理棟ほか改築工事の基本実施設計業務委託料を含んでいるとのことでした。
これに関連する債務負担行為補正として、水城小学校管理棟ほか改築工事基本実施設計業務委託料として、令和3年度に5719万8千円を計上しており、水城小学校管理棟ほか改築工事基本実施設計業務委託料の総額は8171万2千円になるとの説明がありました。
委員から、まだエレベーターがついていない市内の学校はどこか。校舎の実施設計業務委託料は水城小学校だけで5700万円かかるということか、などの質疑がなされ、 執行部よりエレベーターが未設置の学校は太宰府東小学校と東中学校となる。また、校舎の実施設計については、水城小学校だけで5700万円かかるものである。などの回答がありました。
次に、歳入の主なものとして、19款1項1目:財政調整資金繰入金、1億4720万2千円の減額補正について。今回の一般会計補正予算(第6号)の財源超過分として減額補正するものであり、これによる現時点における財政調整資金の令和2年度末残高見込みは、予算ベースで約32億3796万7千円となる見込みであると説明を受けました。
委員から、前回の議会で財政調整基金を出すこと自体は緊急事態で喫緊の課題であるという条件として、財政調整基金で学校ICT分を賄うことを議会で承認したが、今回、地方交付金を財政調整基金に置き換えるという点でどのような議論をされたのか。との質疑がなされ、執行部より第一弾の交付金のときに、最初の緊急対策を優先した結果、学校ICTについては交付金が残っていないという状況の中、GIGAスクールの整備に乗り遅れるわけにはいかないということで財政調整資金を使わせていただいた。そして第二弾の交付金の追加があり、全体を見ていくところで、財政は来年度以降今後さらに厳しくなっていくことも想定されるため、将来負担を減らすという観点を含めて、交付金の中から財政調整基金を元に戻すという議論を行った。との回答がありました。
次に、債務負担行為の主なものとしまして、指定管理料(史跡水辺公園・総合体育館)、期間は令和2年度から令和7年度まで、限度額7億1521万5千円の追加について。これは、現在の指定管理の期間が、史跡水辺公園と総合体育館ともに令和3年3月31日までとなっており、期間終了後の令和3年4月1日から新たに5か年の指定管理の協定を締結するにあたり、今年度中に手続きを開始するための補正であると説明がありました。
その他、款、項、目ごとに執行部に対して説明を求め、計上の根拠等について質疑を行いました。
質疑を終え、討論では、水城小学校のエレベーターの件については、公的な施設は、広 い視野に立って全ての人にとって生活しやすい部分を考えていかなければならないと思う。今回の提案の中で水城小学校に通う足の不自由な児童のためにエレベーターを設置するとのことだが、狭い視野で改修工事が進んでいるのではないかと思う。全てのこどもたちにとって素晴らしい教育環境で授業が受けられるように今後改修していくことをお願いしたい。と賛成討論がありました。
採決の結果、議案第49号の当委員会所管分については委員全員一致で、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。以上で報告を終わります。