令和3年 第1回(3月)定例会 委員長報告

総務文教常任委員会 委員長 門田 直樹

 総務文教常任委員会に審査付託された議案第7号から議案第12号までについて、その主な審査内容と結果を一括して報告いたします。
 まず、議案第7号「太宰府市立太宰府史跡水辺公園の指定管理者の指定について」、及び議案第8号「太宰府市総合体育館の指定管理者の指定について」の2件は、関連があることから一括議題として審査しました。
 両施設は、現在シンコースポーツ・西鉄ビルマネージメント・アシックスグループを指定管理者としているが、その期間が令和3年3月日で満了となることから、10月9日から11月12日にかけて次期指定管理者の公募を行い、その結果、2社から成る1グループより応募があり、指定管理者候補者選定委員会の審査、並びに市における協議を踏まえ、指定管理料の適正化や利用料の見直しを図り、シンコースポーツ・西鉄ビルマネージメントグループを指定するものであるとの説明を受けました。指定期間については、令和3年4月1日からの5年間であるとのことでした。
 両案件の審査においては、多くの質疑を行い、執行部へ回答を求めました。その主な内容を報告します。
 まず、委員から、12月定例会に上程しなかった理由は何か、との質疑がなされ、執行部からは、本来であれば令和2年11月に開催した指定管理者候補者選定委員会の審査結果を受け、12月定例会に指定案件を上程するところであったが、上程直前になり現指定管理者から平成29年度及び平成30年度に提出された月次報告書において書類の不備が判明したことから、その内容確認を行い是正を行う必要が生じたため、急遽上程を取下げ、今定例会での提案となったとの回答がありました。
 次に委員から、書類の不備については、訂正がなされ上程するに至れるとの判断で上程されたのかと質疑がなされ、執行部から、当時は清掃担当者が西鉄ビルマネージメントを通さずに直接シンコースポーツに報告していたが、現在は作業終了時に西鉄ビルマネージメント本社所属部署へ報告し、チェック後にシンコースポーツに提出するよう改めている。また、12月から当面の間、西鉄ビルマネージメント代表取締役社長が当該部門の書類、伝票など全てに目を通し、確認、チェックを行い、シンコースポーツでも両施設長がダブルチェックし、疑義が生じれば再確認を行っている。あわせて、スポーツ課でも担当係長、課長によるチェックを行う等、現在は チェック機能の強化を図っているとの回答がありました。
 次に委員から、仮に今定例会にて否決された場合、再公募が行われるだろうが、いつの上程となるか。また、総合体育館が新型コロナワクチン接種会場に予定されているが、指定管理者が決まるまでの間、市単独での運営は可能か、との質疑がなされ、執行部から、仮にそのケースとなった場合、再公募を行い改めて選定委員会を開催し、候補者の選定後に議会に諮る必要があるため、早くとも6月議会を経た7月ぐらいになるのではないかと想定している。また、指定管理者の役割は現在、主にソフト部門である運営であり、民間のノウハウを市側が持ち合わせていない状況であるためかなり難しいと考える。また、維持管理については、事業所等を確認の上、すぐに維持管理の業務をしてもらえるかというと、タイムスケジュール的に厳しいのではないかと考えているとの回答がありました。
 次に委員から、令和2年と3年の当初予算を比較すると指定管理料が15%ほど上がっている。指定管理料はどのように適正化を行ったのかとの質疑がなされ、執行部から、まず公募をかけた段階で、候補者のほうから指定管理料の応募額が提示されたが、そのままの額ではなく、候補者と協議をした上で、適正化として約500万円削減を行った。また、利用料金の見直しによる利用料の増収に伴う指定管理料の削減ということで、合わせて1,000 万円の削減を図っている。前年度予算との比較では少し増額になっているが、応募額よりは1,000万円の削減を図ったところであるとの回答がありました。
 次に委員から、そもそも公募に対して1共同企業体のみの応札という状況で、例えば指定管理料がほかの相場と比べて低過ぎるために、入札の競争性が働かず、多少レベルの落ちる指定管理業務になってしまうことはないか、金額面と照らし合わせて過度な削減をしていないかとの質疑がなされ、執行部から、公募をかける際に指定管理料の上限額を示すが、過去5年間の実績を基に積算した内容となっており、特に過度に低いということはないと考えている。また今回の公募について、市ホームページ上で周知を図ったが、実際の応募は2社から成る1グループのみであり、ほかの指定管理業者も今年度公募があるということは分かってあったと考えるが、事前の問合せ等も市スポーツ課のほうには特になかった状況であるとの回答がありました。
 次に委員から、令和3年度から専門職の会計年度任用職員を雇用し、チェック機能の強化を図るとのことだが、建設または機械や電気関係のどちらを選ばれるのか、との質疑がなされ、執行部からは、施設の維持管理における電気設備等だけでなく、躯体老朽化への対応や、スポーツ課における施設に関する対応も様々な事案が発生していることから、専門職の募集をかける際には、建築士、技術士、施工管理技士、土木施工管理技士、または設計や建築、土木、設備工事の発注支援等業務に3年以上従事した経験がある方ということで、幅広く人材を求めたとの回答がありました。
 次に委員から、指定管理者が施設利用について市民からアンケートを取るようになっている。今回、公募に当たって業者と話をする際、改善してほしい点をアンケートに基づいて市側も協議されていると考えるが、その内容は、との質疑がなされ、執行部からは、毎年アンケートを実施しており、非常に高い評価を得ている。特にソフト面については、非常に対応していただいていると評価をしている。また史跡水辺公園については施設が老朽化していることによる施設に対する要望が多い状況であるため、その点につき、今回の指定管理者からの公募内容についても、施設の修繕等について計画的に行うことで、その類いの計画書作りが一つ提案されているところであるとの回答がありました。
 次に委員から、協定書に条ずれが起きた理由や、条ずれによる記載誤りで契約からおかしな状況となっていたことは、第26条にある「お互いの合意をもって」という規定等で修正に関して受任者との合意はできたのか、また遡って無効となるかなど、締結から今後の有効性、それらを専門家・弁護士に確認したか、などの質疑がなされ、執行部からは、総合体育館の協定書第1条で、「総合体育館条例第14条に基づき」とすべきところを「第10条に基づき」としている記載誤りがあった。この条ずれが起きた原因は、総合体育館に先行して協定を締結していた史跡水辺公園の協定書を、そのまま参考に総合体育館に活用して作成を行ったがために発生したものと考えている。記載誤りの訂正は、代表企業のシンコースポーツ九州に確認を行い、構成企業合意の上で協定書の訂正準備を進めている。現在4社協定になり、太宰府市、シンコースポーツ、西鉄ビルマネージメント、アシックス、それぞれが保有する協定書の原本を一つに集め1文字訂正、そして4社の押印をするということで準備を進めている。対応の有効性については、締結から現在並びに協定期間内まで有効であり、法的には問題がないとしている。弁護士等への確認については、市の顧問弁護士にこの案件の確認を行い、法的には問題ないということで確認が取れているとの回答がありました。
 次に委員から、第7条で業務の要領を作成するよう決められているが、それらがないことについて、の質疑がなされ、執行部からは、協定書の第7条にて業務の要領を受任者が作成し、委託者の承認を受けなければならないということが明示されているが、実際のところは作成がされていない。現在までは仕様書並びに事業計画書に基づき業務の遂行を促していた。ただ、その分では十分ではないところもあったと考えており、今後は業務の整理を行う上で、どのような方策が適切であるかを再確認し、改善に努めてまいりたい。との回答がありました。
 次に、いろいろな業務があるが、それぞれ法令によって定められた有資格者は配置されているかとの質疑がなされ、執行部からは、法令に定められた有資格者は確保しているとの回答がありました。
 次に委員から、総合体育館は、新型コロナウイルスのワクチン接種会場としての役割があると考えるが、その際の指定管理者の役割は、通常に加えての役割となるのか、との質疑がなされ、執行部からは、国からのワクチン配布状況や医療機関などとの連携の在り方などにより変更となる場合があるものの、1階がワクチン接種会場、2階アリーナ及び3階観覧席については引き続き開放という形となることから、現時点での指定管理者の役割は、基本的には2階、3階部分の管理を予定している。1階部分は、ワクチン接種対応という形で、指定管理者とは別な形で対応するところで現在調整を図っている。との回答がありました。
 また、質疑の最後には、執行部より今回発生した事象については、書類を提出した西鉄ビルマネージメントには猛省を促しているが、市のほうでもチェック機能が十分に働いていなかったことも大きな要因であり、館を管理する必要な経費は全て税金で賄っていることを改めて職員自らが襟を正し、今回のようなことが二度とないよう対応していきたいとの説明がありました。
 議案第7号について、その他質疑・討論を終え、採決の結果、委員全員一致で可決すべきものと決定しました。
 議案第8号についても、その他質疑を行い、討論では、ワクチンの接種会場でもあり、利用者も上昇傾向であるため、きっちりとした管理をしていただきたいという願いがある。市の管理体制も今後きっちりとチェックしていただくよう強く要望をするとの賛成討論がありました。
 採決の結果、議案第8号は、委員全員一致で可決すべきものと決定しました。
 
 次に、議案第9号「太宰府市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例について」、本条例は、職員の勤勉手当における算定方法の一部見直しに伴うものでありました。勤勉手当は、勤務成績に対する能率給的な性格を有するもので、現行の算定方法の基礎額は、給与月額、地域手当、扶養手当の合計額となっている。このうち勤務成績とは直接関係のない扶養手当を勤勉手当の基礎額とすることは適当ではないとの考えから、国、県においては、基礎額から扶養手当を除外しており、本市においても、支給基礎額の算定から扶養手当を除く条例改正を行うものであるとの説明を受けました。
 委員からは、労使合意はとれているのかなど質疑がなされ、執行部から、労使合意の下、進めている。本改正により影響を受ける職員への激変緩和措置などをどう取り扱うかの詳細について、職員団体との協議を続けていると回答がありました。
 その他質疑を終え、討論では新型コロナの影響で常時の勤務にプラスアルファが出ており、職員も大変であることから、期末手当の予算が減ったからそのまま別の予算に回すのではなくて、適正な勤務時間外手当ができるように検討していただきたいと賛成討論がありました。
 採決の結果、議案第9号は委員全員一致で原案のとおり可決すべきものと決定しました。
 次に、議案第10号「太宰府古都・みらい基金条例の一部を改正する条例について」、
 太宰府古都・みらい基金条例は、平成21年9月議会で議員発議により制定され、現在では令和3年3月31日までの適用期間となっている。本条例は、その適用期間を3年間延長し、令和6年3月31日までと改正するものであるとの説明を受けました。
 委員からは、この基金を取り崩した事業の報告がない。使っていく計画があるのかなど質疑がなされ、執行部から、取り崩して事業に使ったという実績はない。今後については、基金の条例で定められている使途に従い検討をしていきたいとの回答がありました。
 その他質疑・討論を終え、採決の結果、議案第10号は委員全員一致で原案のとおり可決すべきものと決定しました。
 
 次に、議案第11号「太宰府市公園条例の一部を改正する条例について」、
 今回の改正は、有料公園施設である太宰府歴史スポーツ公園弓道場の12月から2月の期間の利用時間を、現在18時までとしているところをスポーツ振興並びに施設の有効活用の観点から、21時30分までに見直すものであるとの説明を受けました。
 委員からは、ほかの公園・スポーツ施設も含め、期間によって時間が区切られており、使える時間が短くなったり長くなったりすることで、利用者には使いにくさがあると思うが、どう考えているかなど質疑がなされ、
 執行部から、まずは施設の有効活用という視点を第一義的に考えている。弓道場については、照明施設もあることから、有効活用を図るべきだという判断に至っている。季節によっての時間を扱う施設として、北谷運動公園などがあるが、屋外施設ということもあり、冬場の利用者が少ない。利用時間については調整しているが冬場でも夜実施したいなどの利用者ニーズが高まってくれば、有効活用する改善を図っていきたいとの回答がありました。
 その他質疑・討論を終え、採決の結果、議案第11号は、委員全員一致で原案のとおり可決すべきものと決定しました。
 
 次に、議案第12号「太宰府市立太宰府史跡水辺公園条例の一部を改正する条例について」、本条例は、利用者が多くなる7月1日から8月31日までのプール使用料について、利用者の約6割を占める市外利用者に対し市内利用者との公平性の担保と、コロナ対策として密集を是正するため、他のスポーツ施設同様、市内者と市外者の使用料金に格差を設けることに伴う改正であると説明を受けました。
 委員から多数質疑があり、以下主な内容を報告します。まず史跡水辺公園ほどの規模で市外者の利用料金が2時間で920円という高額な金額となるが、その算出根拠は何かとの質疑がなされ、執行部から、他のスポーツ施設は、基本的に市外利用者は市内者料金の2倍という設定をしており、それを基準に提案しているとの回答がありました。
 次に委員から、コロナ対策の3密回避として、どの程度減る想定をされているか、減れば減収になると考えるが、試算はどのようにされているかなど質疑がなされ、
 執行部から、市外利用者の7、8月の料金を倍に設定することで500万円の利用増収を見込んでおり、その分、指定管理料500万円を削減したという流れとなる。2倍にすることによって想定している市外利用者は1、2割ほど減少するのではないかと積算しているとの回答がありました。
 次に委員から、市外利用者が全体の6割を占め、それにより指定管理料も抑えられてきたと考えることができる。アスレチックジムを除くと、そちらが密集になると考えるが、なぜプールだけなのかとの質疑がなされ、
 執行部から、屋外プールが現在は7月、8月の短期間での活用しかできておらず、今後どのような形で運営を行うかも併せて検討していくが、その点も踏まえ、利用者の6割強を占める市外利用者の料金を2倍に設定した上で、どれだけの利用があるかということも今後どう生かしていくかを考え、設定しているとの回答がありました。
 次に委員から、どのように市内者と市外者を見分けるのかとの質疑がなされ、執行部から、窓口にて身分証明書を提示してもらうことを想定している。持参されていない場合は、窓口に用意する受付簿等に住所を記載いただき、そちらで確認することを想定している。県内他市でこのような対応をしてあり、参考にしつつよりよい方策を求めていきたいとの回答がありました。
 次に委員から、920 円は子どもを連れた保護者が千円札を1枚出さないといけないわけで高いと考える。どう考えているかとの質疑がなされ、執行部から、2倍で2時間だと確かに920 円となり、その金額を聞くと、高いと感じると思うが、太宰府市は近隣市と違い、時間設定を1時間設定としている。実際に2時間で利用される方はかなりの少数派と捉えており、1時間で2倍になっても、他市の2時間400 円と金額はそれほど変わらない。そのような意味で実質的に負担していただく金額は近隣市のプールと比べて高いことにはならないと考えている。また市民の方はそれ以上に安い価格で利用していただけることとなるため、市外の方まで近隣市と比べて極端に安い料金でサービスを提供するのは難しいということで2倍にしている。料金の見直しを様々進める中で実際2時間で払っている方、1時間で払っている方がどのくらいの割合かを分析し、今現実に2時間460 円を払っている方がかなりの少数派だということで、2時間920 円という形で使われる方は多分いないと考え、実質的な負担額が近隣と比べて極めて重い負担になることにはならないという判断をしている。通年で2倍とすることも選択肢として検討したが、夏季期間に限定して料金を上げる判断としたとの回答がありました。
 その他質疑を終え、討論では、今後、混雑が予想され、受付対応が非常に大変になると考える。そこを職員にも現場に赴くなどで把握していただきたい。市民プールの現状を本当に把握しているか疑問に思う。受付対応のきちんとした整備をされたうえで行っていただきたいとの賛成討論がありました。
 また、もう1件の討論では執行部の回答に、施設利用の時間は1時間の方がほとんどで、2時間使われる方が2、3割という話があったが、1時間で我慢している利用者もあると考える。時間設定を限定することや、市外者料金を2倍にする案は今回突然出てきたものである。執行部の回答に、これからいろいろ検討していくという趣旨の回答があったため、引き続きそれをお願いしたいとの賛成討論がありました。
 採決の結果、議案第12号は、委員全員一致で原案のとおり可決すべきものと決定しました。

以上で報告を終わります。