令和3年第3回(9月)定例会委員長報告

決算特別委員会委員長門田直樹

決算特別委員会に審査付託されました認定案件の審査結果について、一括してご報告いたします。

 本定例会におきまして審査付託を受けました、認定第1号令和2年度太宰府市一般会計歳入歳出決算認定についてから認定第7号までの各会計の歳入歳出決算認定についての審査につきましては、本会議初日の8月25日に市長の提案理由説明を受け、同日、本会議散会後の特別委員会にて各担当部長の概要説明を受けた後、9月13日及び14日の2日間にわたり、市長ほか副市長、教育長、及び各部長、課長出席のもと審査いたしました。

 審査にあたりましては、決算書に付随して提出されました事務報告書、監査委員の各決算審査意見書、施策評価を参照し、さらに議会から資料要求を行いました審査資料もあわせ、各委員からの質問とそれに対する所管部・課長の説明を基に慎重に審査いたしました。

 審査資料の請求に当たりましては委員各位のご協力、また提出していただきました執行部の皆様方には、日常における新型コロナウィルス感染症対策や災害対策にご尽力いただきながらのご対応に、改めてお礼申しあげます。

 市長や担当部長からの説明では、『令和2年度は、コロナに始まりコロナに終わる1年であった。市民生活や地域の経済活動が委縮するなか、歳出カットを行いながらも、ふるさと納税による増収、国・県補助金等を活用しての地域商品券事業による消費喚起、生活支援策、事業者支援策など様々な策を実行した。
 一方で「太宰府市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を実行し、意欲的な市政運営も展開した。結果として約13億円の黒字となったことから、本議会での補正予算案において、コロナ緊急支援、市民への還元、将来への備えを計上した』という旨の報告がありました。

 なお、各会計とも、審査の詳細な内容につきましては、全議員で構成する委員会での審査であったこと、また、後日、決算特別委員会会議録が配付される予定であり、その他の関係資料としての事務報告書並びに議会から要求した審査資料等も既に配付されておりますので、ここで逐一報告することは省略いたします。

 執行部におかれましては、委員会審査の中で出された問題点、指摘事項、意見、要望等について、十分に整理、検討され、新年度予算の編成に反映させると共に、今後の事業執行にも積極的に対応されることを強くお願いしておきます。

 また、一般会計における約13億円の黒字は、新型コロナウイルス感染拡大により事業やイベントが中止されたことによるものも含まれており、手放しで喜べない状況と思われます。

 コロナが収束していない現状において、監査委員からの「令和2年度太宰府市決算審査及び基金の運用状況審査意見書」の「むすび」にも記載されていますとおり、「令和3年度以降は、税収の大幅な減が見込まれ、さらに社会保障費等が漸増することは避けられず、市の健全な財政を維持できるかどうか予断を許さない状況である」ということを念頭に、行政の効率化、財政の健全化をより一層進められますよう、また単年度の決算状況だけでなく、市の将来を見据えた計画的で持続可能な行政サービス、行政運営に取り組まれますよう要望いたします。

 それでは各会計の実質収支の状況を主に報告いたします。なお、各会計とも金額につきましては、千円単位にて報告いたします。

 まず、認定第1号「令和2年度太宰府市一般会計歳入歳出決算認定について」報告いたします。

 令和2年度の一般会計の決算額は、歳入総額342億3240万1千円、歳出総額328億6232万2千円で、歳入歳出の形式収支額は13億7007万9千円の黒字であり、翌年度に繰り越すべき財源8211万3千円を差し引きますと、実質収支額として12億8796万6千円の黒字決算となっています。

 例年にないこれらの数値は、新型コロナウイルス感染症対策による事業費の増加、通常の施策の執行が抑制されたことによる影響が大きいと言えます。

 普通会計における市債残高は、令和2年度末で218億5425万3千円であり、前年度より9億1170万7千円減少しています。

 また、経常収支比率は94.7パーセントで、前年度に比較して0.6ポイント上昇しています。これは、市税等の経常一般財源は増加したものの、会計年度任用職員制度の開始により人件費が大きく増加したためとされています。

 執行部にあっては、今後とも行政の効率化、財政の健全化に向けて、より一層の努力をなされるよう要望しておきます。質疑、討論を終わり、委員会採決の結果、認定第1号は多数をもって認定すべきものと決定しました。

 次に、認定第2号「令和2年度太宰府市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算認定について」報告いたします。

 令和2年度の決算額は、歳入総額68億4672万5千円、歳出総額67億5966万8千円で、歳入歳出差引額は8705万7千円の黒字決算となっています。

 歳入総額は前年度に比較して3億257万1千円、4.23パーセント減少しています。収入の基礎となる国民健康保険税収入は14億4071万円で前年度と比べ2223万4千円、1.52パーセントの減、現年課税分の収納率は93.01パーセントで前年度と比べ0.94ポイント上昇しています。

 国保税の収入未済額は現年分、滞納繰越分を合計すると3億7229万8千円となっており、前年度に比べ6.07パーセントの減となっています。

 その他の歳入では、県支出金が45億827万4千円で前年度と比較して3億5637万9千円、7.33パーセントの減となっています。

 また、一般会計からの繰入金は6億3545万2千円で前年度に比べ、3629万1千円、5.40パーセントの減となっています。

 歳出総額は前年度に比較して1億6032万7千円、2.32パーセント減少しています。
 これは主に新型コロナ感染症の影響による受診控え、国保被保険者数の減少に伴う保険給付費の減によるものです。

 なお、歳出において、歳出総額の64.30パーセントを占める保険給付費は43億4648万5千円で前年度に比べ4億923万2千円、8.61パーセントの減となっています。

 令和2年度は昨年同様、黒字決算となりましたが、黒字額は減少しており、国民健康保険には、年齢構成や医療費水準が高く、所得水準が低いという構造的な課題があります。
  今後も厳しい財政状況が予想されることから、財政運営の責任主体である福岡県と共に、医療費の適正化及び市民の健康づくりに向けた取り組みに、より一層の努力をお願いするものです。

 質疑を終わり、討論はなく、委員会採決の結果、認定第2号は全員一致で認定すべきものと決定しました。

 次に、認定第3号「令和2年度太宰府市後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算認定について」報告いたします。

 令和2年度決算額は、歳入総額13億1千473万8千円、歳出総額12億6154万円6千円で、歳入歳出の形式収支は5319万2千円の黒字決算となっている。また、前年度実質収支を差し引いた単年度収支は499万円の黒字となっています。執行部におかれましては、今後とも健全運営に努力されますようお願いいたします。

 質疑を終わり、討論はなく、委員会採決の結果、認定第3号は全員一致で認定すべきものと決定いたしました。

 次に、認定第4号「令和2年度太宰府市介護保険事業特別会計歳入歳出決算認定について」報告いたします。

 令和2年度の決算額は、保険事業勘定においては歳入総額52億5989万9千円、歳出総額52億3090万6千円で、実質収支額は2899万3千円の黒字決算となっています。

 介護サービス事業勘定においては、歳入総額6158万4千円、歳出総額6158万4千円で、歳入歳出差引額はゼロ円となっています。

 保険事業の歳出総額の約9割を占める保険給付費については、前年比で1億5031万2千円、3.3パーセントの増となっており、高齢化の進展に伴い、引き続き増加するものと考えられます。執行部におかれましては、今後とも介護予防対策などに努力されますようお願いいたします。

 質疑を終わり、討論はなく、委員会採決の結果、認定第4号は全員一致で認定すべきものと決定いたしました。

 次に、認定第5号「令和2年度太宰府市住宅新築資金等貸付事業特別会計歳入歳出決算認定について」報告いたします。

 令和2年度の決算額は、歳入総額422万1千円、歳出総額109万円で、実質収支額313万1千円の黒字決算となっています。

 償還金については、令和2年度末の収入未済額は8千557万1千円となっており、収入済額は313万円で回収率3.53パーセントとなっています。執行部におかれましては、滞納解消に向けての取り組みと、滞納整理について、今後とも、さらなる努力をお願いいたします。

 質疑を終わり、討論はなく、委員会採決の結果、認定第5号は全員一致で認定すべきものと決定いたしました。

 次に、認定第6号「令和2年度太宰府市水道事業会計剰余金の処分及び決算認定について」報告いたします。

 令和2年度の年間総給水量は573万1837立方メートルで、前年度に比べ2.8パーセント増加しています。なお、有収率は前年度と同じ93.9パーセントとなっています。

 また、行政区域内人口に対する給水人口普及率は、前年度に比べ0.3ポイント上昇し84.5パーセントとなっています。

 経営成績は、総収益が13億5102万円、総費用は11億6327万3千円となっており、差し引き1億8774万7千円の純利益となっています。

 また、企業債の令和2年度発行額はなく、1億2669万円を償還しており、令和2年度末現在で6億7762万6千円の残高となっています。

 水道事業経営においては、今後とも老朽管等の施設更新や耐震化、災害等の緊急対応などについて計画的に取り組んでいくとともに、水道の普及率向上、営業収益の根幹である水道使用料の収納率向上に努められまして、経営の効率化と安全で良質な水道水の安定供給をお願いするものであります。

 質疑を終わり、討論はなく、委員会採決の結果、認定第6号は全員一致で原案可決及び認定すべきものと決定いたしました。

 次に、認定第7号「令和2年度太宰府市下水道事業会計剰余金の処分及び決算認定について」報告いたします。

 令和2年度末の行政区域内人口に対する水洗化人口は69,811人、水洗化人口普及率は97.3パーセント、水洗化率は97.7パーセントで前年度と同様もしくは若干の上昇となっています。

 また、有収水量は、640万8015立方メートルで、前年度に比べ1.6パーセントの増となっています。

 経営成績は、総収益が18億2925万1千円、総費用が13億8123万5千円となっており、差し引き4億4801万6千円の純利益となっています。

 また、企業債は、1億3800万円を発行、6億2799万2千円を償還し、年度末残高は58億6075万3千円となっており、前年度より減少しています。

 建設工事は、都府楼地区の汚水管きょ工事、及び老朽管長寿命化工事など11件が実施されております。

 下水道事業は、市民の生命、健康や生活環境を支える社会基盤の一つとして重要な役割を担っています。災害に強いまちづくりの面からも、今後とも雨水・汚水管きょ整備事業などを計画的に事業推進するとともに、営業収益の根幹であります下水道使用料の収入確保と経費節減を図りながら、併せて施設の耐震補強等を含めた長寿命化対策に取り組み、安定的な事業経営に努力していただきますよう希望します。

 質疑を終わり、討論はなく、委員会採決の結果、認定第7号は全員一致で原案可決及び認定すべきものと決定いたしました。

 以上で、決算特別委員会に審査付託されました認定第1号から認定第7号までの令和2年度各会計の決算認定案件についての委員会審査報告を終わります。