携帯基地局特別委員会
午後1時から再議
(市長が議決を拒否)について特別委員会が開かれました。(
新聞記事)
委員からは再議書の異議(反対理由)に多くの疑義が出されましたが、執行部は定型化した回答を繰り返すだけで実のあるものはなく、休憩をはさみ約3時間にわたった議論は結局平行線で終わりました。
まず私は市の「実施方針で十分」との主張に対して同方針の具体性や実効性のなさ、また既設基地局からの供用で現に使用されている携帯電話は何の影響もないこと、市の説明がスマートフォンなどの次世代端末と現在多く使用されている機種をあえて混同していることなどを指摘しました。
藤井委員は実際にあった苦情の件数と通話困難地域があるのかを尋ねましたが、担当部長は「苦情は0件、通話困難地域はありません」と回答しました。
渡辺委員の「市長は条例の目的、本質を取り違えている。条例は住民の知る権利を保障してくれと言っているのであって、携帯事業を妨げるようなことは何もいっていない。」という問いに対し、市長は「総合的に判断した」と答えました。
市は先月、請願の主旨から乖離した「請願の処理経過及び結果報告」の説明でも、「総合的に判断した」を繰り返しています。
「総合的」なら好きな結論が自由に出せるとは便利な話です。
村山委員は同部長に対し「篠栗町で携帯基地局条例ができたことで事故の負傷者を救命できなかったかのような説明があったが、その地域に基地局を作る計画があったのか。
条例のせいでできなかったのか?」と問いましたが、部長は「基地局はなく、計画も聞いていない。条例の影響はないと思う」と答えましたので、委員は「もともと関係の無い話を持ち出して、条例が通信や救急に影響を与えるがごとき説明をするとは問題である。」と市の見識を質しました。
また「議会が市民からの要請を受け議論し議決した条例であり、内容も執行権の領域にかかるものでもなく、ただ事前説明を求めているだけである。条例提案は議会の重要な権能だが、それを否定するのか」との問いには、市長が「それは否定しません」と答えました。
上(うえ)委員は市の幹部職員だった経験から「実施方針はあくまで市の内部規程である。内容も数行に過ぎず、そもそもいつ誰が作りどういった効果を期待するのか不明である。
また作成に当たり市民や議会に意見を求めたのか。市民への周知は行うのか?」と問いましたが、市からは「広報については検討したい」とだけで、明確な答えはありませんでした。
また条例の必要性を説く委員に対し市長は「条例はコトを構える…」といった発言をし、別の委員から「様々な条例があるが、例えば歴史と文化の環境税において、市は駐車場業者とコトを構えているとの認識か?」と指摘があり、「そのような意味で言ったのではありません (言ったのですが…?)」と否定する一幕もありました。
その他「条例に賛成、再議に反対」の立場として、長谷川委員は事前説明の重要性を説き、芦刈委員は「建つも建たないも、必要とする住民とそうでない住民とで話し合い決定するのが民主主義だ」と主張されました。
「条例に反対、再議に賛成」としては佐伯委員が「まずは市の実施方針でやっていくべきだ」と主張され、小幡委員も「実施方針は見直していくのか」と市長に尋ねたのに対し、市長は「見直していく」と答えました。
議論は膠着して進まない中、私は「再議書にある2つの異議は全く理由にならないもので、こじつけの類である。再議そのものの成立にも疑義があり、この際第3者の意見を聴くことも選択の一つである。自治紛争調停委員に調停を申請するべきだ。」と主張し、今後の検討課題となりました。
そして最後に、「まず、委員会ではなく議員協議会でフリートークの形で議員相互の意見交換、討議をやろう。」との提案があり、全会一致でそのように決定しました。
特別委員会の議員協議会は2月14日の定例議員協議会終了後に同じ場所(市役所5階全協室)で行われます。