9月議会で条例の議員発議を明言した後ただちに全議員に呼びかけ「携帯電話基地局問題に関する勉強会(後に「研究会」に改称)」を立上げ12月定例会での提案まで全6回の調査・研究を行いました。毎回10数名の議員が参加し、メンバーは全会派に亘っていました。
会合では電磁波が人体に与える影響、国の基準、海外での規制状況、及び国内各地における条例や要綱について調査研究を行うとともに、過去の一般質問に対する市の回答を精査。また平成22年12月に「安心安全の見地に基づく携帯電話中継基地局設置の適正化に関する請願」が、議員大多数の賛成により採択されたことを重視し、請願の内容を慎重に確認しました。
請願の主旨は、 1. 条例を制定すること 2. 教育施設に配慮すること 3. 設置改造を行うときは、説明会を実施すること 4. 既設の基地局のうち、児童関連施設の周辺にあるものについては、事業者は保護者と話し合い誠実な対応をすること の4点です。
これらを踏まえ、携帯電話中継基地局の設置等に係る紛争の防止に関しては、条例の制定によるルール作りが必要であるとの結論に達したので、10月に行われた定例議員協議会で審議内容と12月定例会に条例案を提出予定であることを説明、報告しました。
11月の研究会では案文の検討も終わり参加者全員の合意で条例案ができました。 また、この間数回にわたり市執行部と内容の摺合せを試みましたが、「条例は必要ない。業者は…」と繰り返すだけで、残念ながら取り合ってもらえませんでした。
ところが市に対し議員発議の様式と提出期限を確認して賛同者の署名を取っていると、今度は一転して、「法制にかけるので早めに出してほしい」と連絡してきました。とうとう諦めて協力してくれるのかな?と思ったのですが、11月24日に議会事務局(議長宛)に提出した後も、何の音さたもなし…。
そうこうしているうちに第1回携帯電話基地局問題特別委員会が12月6日に開催されました。驚いたのはこのとき携帯電話事業者から出された意見書が配付されたことです。意見書の中には「この条例が…」とありますが少なくとも一般市民よりも早く案文が渡っていたのでしょう。
またこの委員会の冒頭(開会前)ある有力議員が「この意見書を重視してほしい」という意味の発言をしましたが、この人のところへはこの意見書より先に請願を出した人たちから、市の対応への批判と条例の制定を望む文書が来ていたのですが、そちらは出さなかったので委員から指摘され同じように配付されました。
ところで法制の件ですが、「どうなっているのか?」と尋ねると、「市は条例を前提にしていない」と意味不明の回答があっただけでした…。
さて、 この条例の目的は、紛争の防止にあり、基地局の新設や改造を妨げたり、事業者の経済活動を停止させるものではありません。
また現時点における国の方針の下では、電磁波による健康被害の観点を盛り込むことは困難と判断し、あくまで紛争防止を主点としています。
これに対し市執行部では、「太宰府市携帯電話基地局設置にかかる住民紛争等の防止に向けた実施方針」を策定していますが、 その内容は市や事業者が責務を果たして行くための、具体的な手続きや、結果に対する責任等の記述がなく、紛争を防止するものとしては、きわめて不十分です。 |