総務委所管調査
太宰府市議会総務文教常任員会では市内の小中学校11校とそれ以外の所管施設を1年おきに調査しています。
今年は3ヶ所を訪問し説明・懇談及び施設見学を行いました。
午前中は今年4月に開校した大佐野の福岡県立太宰府特別支援学校を訪問し、校長先生から説明を受け、校内を案内していただきました。
設立の経緯
@福岡都市圈南部には、これまで知的障害又は肢体不自由のある児童生徒を対象とした、義務教育段階から後期中等教育段階までの一貫した特別支援教育を担う学校が設立されていなかった。
Aこのため、特別支援教育を受けるためには、遠方の特別支援学校へ通学する必要があり、この地域への特別支援学校の設立を望む声が非常に高かった。
Bこのような中、整備計画に基づき、知的障害及び肢体不自由に対応した特別支援学校を福岡都市圈南部に新設することとなり、平成20年6月、福岡県立福岡農業高等学校の敷地の一部を活用し設置することが決定した。
現状と課題
立志・友愛・自立を校訓に「一人一人の可能性を最大限に伸ばし、光り輝く存在として共に社会を生きぬく力を育成する」ことを教育目標とし、小中学部では教育的ニーズに応じた教育課程、高等部では進路ニーズに応じたコース割を特色とする。
また福岡農業高校や地域との交流及び連携を図り、訪問教育や地域支援も行っている。
課題としては今後高等部が増えたときのバス台数、個人で使う用具類の確保、職員を含む給食の対応(現在370で最大400食)などがある。
委員からは学童保育について質問があり、「場所(自立活動室)は提供するが運営は自治体(4市1町)でと考えている。具体的には全く未定である。」との回答があった。
児童生徒及び職員(5/1現在)
教育部門・学部別児童生徒数
部門/部 |
A部門(知的障害教育) |
B部門(肢体不自由教育) |
一般 |
重複 |
学級 |
一般 |
重複 |
訪問 |
学級 |
小学部 |
76 |
1 |
16 |
3 |
24 |
2 |
12 |
中学部 |
62 |
1 |
13 |
1 |
12 |
1 |
6 |
高1 |
52 |
2 |
7 |
1 |
7 |
2 |
3 |
計 |
190 |
4 |
36 |
5 |
43 |
5 |
21 |
児童生徒計 |
247 |
通学方法
通学バス |
自家用車 |
自転車 |
徒歩 |
訪問(在宅) |
207 |
30 |
4 |
1 |
5 |
自治体別児童生徒数
学部/市町
|
太宰府 |
筑紫野 |
大野城 |
春日 |
那珂川 |
宇美 |
志免 |
須惠 |
他市町 |
小学部 |
10 |
17 |
14 |
32 |
8 |
10 |
10 |
4 |
1 |
中学部 |
11 |
11 |
14 |
20 |
4 |
4 |
8 |
4 |
1 |
高等部 |
8 |
7 |
10 |
20 |
4 |
2 |
3 |
4 |
6 |
計 |
29 |
35 |
38 |
72 |
16 |
16 |
21 |
12 |
8 |
児童生徒計 247名 職員 130名
午後からは太宰府中学校の通級指導教室を視察しました。
ことばやコミュニケーション等の課題のために学習や生活に困っている子供の姿は様々です。
通級指導教室は各自の得意な面を生かしながら生き生きとした生活を送ることができるよう援助することを目的とした通級の教室です。
指導の対象
・太宰府市内の中学生で、通常学級に在籍する生徒
指導形態
・教室に来室して指導を受ける「通級制」
・他校から通級の場合は保護者による送迎が必要
・月〜金の週1回100分程度
・1対1の個別指導(必要に応じて個別指導)
その他
・通級に関わる時間は学校の指導時間として扱われる
・無償
・相談も受け付けている
スライドを使った説明では、生徒一人一人のニーズに応じて、読み書き、計算など「学習スキル」、コミュニケーションや集団行動など「社会スキル」、「行動・情緒の安定」など、専門的に取り組んでいることがうかがえました。
最後に太宰府市適応指導教室「つばさ学級」を視察しました。
場所は坂本の青少年相談センターにあるのですがあまり知られていません。
目的
心理的または情緒的等の理由で、登校したくてもできない状態にある児童生徒に対し、様々な活動や体験を通して自立や学校復帰を目指す援助・指導を行う。
開級日
毎週月・木・金の週4日間(水曜はチャレンジ登校日)。
学級費
毎月1500円(制作活動や調理実習などの材料費として)。
出席取扱
通級した日数は原籍校での出席として取り扱う。
平成23年度通級者数(仮入級含む)
H23年度
|
1学期 |
2学期 |
3学期 |
計 |
小学部 |
4 |
4 |
3 |
11 |
中学部 |
11 |
12 |
13 |
36 |
※延べ人数です
@学校生活に起因する型
|
嫌がらせをする児童生徒の存在や教師との人間関係など、明らかにそれと理解できる学校生活上の影響から登校しない。(できない) |
A遊び・非行型
|
遊ぶためや非行グループに入ったりして登校し ない。 |
B無気力型
|
学習意欲に乏しく行動も緩|曼で無気力感が強い。 登校刺激をすればしばらくの聞け登校するが長 続きしない。 |
C不安などの情緒的混乱型
|
登校の意思かおり、学校へ行こうとするが不安々 情緒的混乱等により体の不調を訴え登校できな い。 |
D意図的な拒否
|
学校へ行く意義を詰めず、自分の好きな方向を選 んで登校しない。 |
E複合型
|
不登校状態が継続している理由が複合していて いずれが士であるか決めがたい。 |
Fその他
|
上記のいずれにも該当しない。 |
※つばさ学級では@CFの「学校へいきたくても行けない子」
が多い
。
始業時をとっくに過ぎて登校している子をたびたび見かけます。
スクールカウンセラーやソーシャルワーカー、サポートティーチャーと協力し、一人一人の子にとって一番いい対応を考えていただきたいと思います。