6月定例議会2日目
各議案は質疑を経て(一部を除き)各常任委員会に付託されました。
平成24年度太宰府市議会第2回(6月)定例会・初日
日程 |
付託先 |
内容 |
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(即決) |
福岡県後期高齢者医療広域連合規約の一部変更に関する協議について |
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総務文教 |
太宰府市税条例の一部を改正する条例について |
議案第30号 |
環境厚生 |
太宰府市手数料条例の一部を改正する条例について |
議案第31号 |
環境厚生
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太宰府市印鑑条例の一部を改正する条例について |
議案第32号 |
環境厚生
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太宰府市予防接種健康被害調査委員会設置条例の一部を改正する条例について |
議案第33号 |
(分割付託)
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平成24年度太宰府市一般会計補正予算(第1号)について |
議案第34号 |
環境厚生
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平成24年度太宰府市介護保険事業特別会計補正予算(第1号)について |
議案第35号 |
(即決)
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太宰府小学校大規模改造工事請負契約の締結について |
請願第2号 |
環境厚生 |
「こころの健康を守り推進する基本法」の制定を求める意見書採択に関する請願 |
※議案のうち28、35は委員会付託を省略して採決の結果、可決しました。
第3回総合体育館建設問題特別委員会
本会議終了後に市長・副市長・総務部長・教育部長と関係部署の課長が出席して第3回が行われ、
体育複合施設建設に関する基本的な考え方 (PDF 2MB)という資料が配付されました。
いつのまにか総合体育館→体育複合施設になってます…。
前にも書きましたが「総合体育館建設調査研究委員会」は全て体育関係者で構成され、福祉や防災、子育て支援や高齢者支援の関係者は一人もいません。
以下、資料を見て気づいた点や感じたことです。
@署名陳情
配付資料を見ていくと1頁の「表−1主な経過」に平成21年度「2320名の署名陳情」のことがかかれています。
市長は体育館建設理由の説明の時は必ず平成11年の請願とこの陳情を挙げ、「2320名の多くの市民が…」とおっしゃいます。
しかし一方では太宰府東小学校横の基地局問題では2532名の署名に対し「一部の市民が…」と切り捨てています。
A利用者数
2頁の「3 屋内スポーツ施設の現状」では近隣3市と利用者数を比較した「表−2」を載せ「太宰府市の施設の充実度は近隣市の平均を大きく下回っている」と結論付けています。↓
表↑の赤枠を見てください。大野城市のコミュニティセンター利用者は10万人を超えています。
市の説明では「市民一人当たりの年間利用回数は4市平均1.40回に対し、太宰府市0.89回であり、平均を大きく下回る」としていますが、コミュニティセンター利用者を除けば大野城市の利用回数は1.03回で4市平均は1.08回となり「大きく下回る」とはいえません。
また大野城市の総合体育館は利用された方も多いと思いますが、各競技の地区大会から県大会、県民体育大会まで多くが行われ、その多くが市外の利用者です。
一方各地区のコミュニティセンターの利用者はほとんど大野城市民と考えられます。
総合体育館が必要との説明のためわざわざ調べて載せたのでしょうが、この表から分かるのは一般市民は「総合体育館」ではなく「コミュニティセンター」のような生活に身近な施設を望んでいるということです。
B市民の満足度
同じく2頁に「図−1 本市の運動・スポーツ公共施設満足度」という円グラフが載ってます。↓
平成20年の調査ということですが「N=122」を見てください。回答者が122名ということです。
市の結論は「やや不満、大いに不満を合わせると64.3%」、「このように本市の屋内スポーツ施設は充実度及び満足度ともに充分でない」としていますが、7万市民の意思を122名のアンケート調査で推し量るのでしょうか?
また私も体育関係者としてこのアンケートに応じました。そのときは施設利用者として「アンケート即ち市への要望」と考え、使っていた小学校体育館の雨漏りを何とかしてほしいと書いた記憶があります。
C施設の位置づけ
3頁に総合体育館のイメージ図が載ってます。↓
「子どもの居場所」とありますが何のことか分かりません。
アンビシャス広場でさえ1自治会の範囲で手一杯です。
総合体育館ができたらそこが子供たちの居場所になるのでしょうか。
また体育館建設と「子育て世代のスポーツ参加(子育て支援??)」や「子どものスポーツへの興味増進」については、ただそうなるというだけで、「なぜ」そうなるかは説明がありません。
「高齢者の憩いの場」あるいは「子どもと高齢者のふれあいの場」になるとマジメなのかどうか分からなくなります。
総合体育館建設調査研究委員会の答申には「高齢者」の文言は1つもありません。
市が後付け理由として考えたのでしょうが、高齢者の体力維持・健康増進はお住いの地域が中心です。
新しい施設が遠くにできたからと言ってわざわざ(予約して)行かれる方はあまりおられないでしょう。
「子どもと高齢者のふれあいの場」というのなら、太宰府市にそのような事業なり実績なりがあるのかどうか伺いたい。
防災及び避難施設としての機能ですが、太宰府市は幾度も大雨による被害に遭いました。
総合体育館建設予定地をみると河川改修など防災関連工事により災害危険地域の指定は外れたとのことですが、大雨のときはやはり一時(緊急)避難場所としては不適格です。
過去の大雨災害のときには各地区の体育館や公民館が一時避難場所になりましたが、避難が長引いたときは皆公民館に移られました。
説明の中に原発災害について「広域的な避難計画の対応として本市でも500人規模の一時避難受け入れ施設が必要」と述べられています。
これは福岡県の避難計画に依ったものですが、太宰府市はまだ避難計画を策定していません。
玄海と福島では状況がかなり違うのですが、万が一大規模な事故が起きた時は県の計画に沿って対応するしかありません。
その時は70km圏内の太宰府市民もどこかへ避難しなければならないのではないでしょうか?
D用地の確保
総合体育館建設には駐車場のための土地が必要です。下記青の部分。
執行部は市が一丸つまり議会が賛成してもらわねば県の理解は得られないといいます。
誤解か曲解か思い込みか分かりませんが、太宰府市議会は体育館建設に関して賛否を問う議決は何もしていません。
用地取得が今後の太宰府市のまちづくりにとって必要なら進めればいいし、反対どころか大賛成です。
ただ「体育館建設の緊急性があるから交渉できる」という市の説明には疑問を感じます。
平成18年に県と交わした売買契約書の第5条(用途指定及び転売の禁止)では「乙(太宰府市)は、契約締結の日から10年間、売買物件を体育施設、社会福祉施設、防災施設の用に供するものとし、所有権を第三者に移転してはならない。ただし、書面により甲(福岡県)の承諾を受けたときはこの限りではない。」とあり、使用目的は体育施設に限ってはいません。
そもそも「緊急性がある」とは誰の判断でしょう。毎年の維持費や改修費用もはっきりしない中、20億円を超える莫大な支出をしようというのに、議論を置いて何の緊急性があるのでしょうか?
その他、交通渋滞対策や維持管理費の問題などまだまだありますが、とにかく結論(平成26年完成)ありきではなく慎重に審議していくことが肝要です。